羽黒 二の坂茶屋 高城静恵さん 「あの人この人に聴きたい “ 健康と幸せ”の秘訣」座談会 

2023年8月25日

◆座談会の経緯について◆

医療生協に以下の健康観があります。これに基づき「地域まるごと健康づくり」を進めてきました。

しかし近年ひとり一人が考える健康観は多様ではないか?みんなで話し合ってみよう!

と昨年は班会やたまり場等でおしゃべりの機会を沢山作ってきました。

その経過から、様々なジャンルで活躍している方との座談会を通して、さらに組合員の皆さんが健康について考えるきっかけ作りを目指し、この度シリーズで企画することになりました。

健康ネットワークやまがた9月号では「あの人この人に聴きたい“健康と幸せ”の秘訣」座談会で

羽黒 二の坂茶屋 高城静惠さんのお話しを掲載させて頂きます。

 

メンバー:高城静恵さん、梅田啓一さん(組合員)、菅原優子さん(組合員)

長南良介(リハビリ病院 理学療法士)、石塚佳央理(組織部)

 

 

【暮らしの中で感じる健康や幸せや長年二の坂茶屋まで
上り続けられる秘訣とは】

(高城)

65年位ほぼ毎日登っている。大病はなかったし
この石段を歩き続けられてよかった。
今降りる時に捕まらないとさすがに坂は怖くなってきた。

嬉しいことは毎日やっぱり何十年も来てくれるお客さんがいる。
他県からもこ今年で三十何年も来てくれる方もいました。
でも私は最近たまにサボってます。
今年はみんな気を遣って
やっぱ毎日は大変だっていうことでサボらせてくれます
ありがたいです。
でも家にいても今日誰か私の知ってる人が来てるかなぁって。
私がいないと申し訳ない気持ちでいつも頭いっぱいです。
今自分の体もちょっとだんだん厳しくなってきた感じです。
今まで65年間も登りましたし、自分自身を褒めてるような感じで、不思議だね。
昭和十年生まれ、数えで89歳になります。
でもありがたいです。毎日一歩一歩、一段一段
ありがとうありがとうってお礼しながら、声は出さないけども
気持ちで伝えています。
やっぱりあのおばあさん居たのなんて言われると
何よりも嬉しいですよの。
この前登ったけんども、居ねがったっけって言われる
申し訳ねえのなんて。

●65年間も続けてこれた秘訣や体力づくりは

毎日ずっとやってることが
朝は紅茶に生姜汁を入れて飲んでます。
あとは牛乳にきなこ入れて飲んでます。
骨密度が気になり、先日、検査して少し落ちたのって言われたけども
それまでは大丈夫だって言われた。
あとは、焼き物がすごく好き。固い物が好き。
やっぱり噛むってことがいいんですかね。
何気なく噛んでるけどガムはなんだかんだ言って
切らさないようにしている。
普通のガムですが、唾液が良く出て良いと思ってます。
噛むってことはやっぱりすごい。

(梅田)
医療生協でもご飯食べる時は最低でも三十回噛みなさいって言われています。
なかなかそんなに嚙まないで、結構飲み込んでるかもしれないなと思いますよ。
噛む回数は少ないので、ガムはとても良さそう。

(長南)
健康という点では「歯」は結構関連していると思います。

(高城)
歯は差し歯で入れ歯はしていません。
去年直したけども
あの元々歯は丈夫だのって言われた。
もともと固いものが好きで「煮干し」とか「するめ」とか好きで
食べています。

(長南)

入院している患者さんは80歳以上の方がほとんどで
でご自分の歯の方がやっぱり少ないです。
これから先の生活で自身の歯があるということはかなりすごいし
健康的に生きてきた証拠だと思うんです。
入れ歯がなくて歯がボロボロの方っていうのはご飯の形態が変わるんです。
お粥とかペースト状のものしか食べれなくなる。
やっぱり自分の歯がある事は、その人の幸福度が上がると感じています。

●食生活とかで気にしてることは

(高城)

あんまりお肉は好んで食べないほうです。

もともとほらちっちゃい頃からそんなにね食べなかった。

正月ぐらいかな食べたのは。魚は好きで食べます。

とにかく歯ごたえのある固いものが好き。

●体力維持のためにしていることは

今から十年二十年ちょっと前にヨガをやりました。

やっぱり時々ちょっと疲れだなと思うとヨガやると気持ちよいです。

(長南)
それが一番ですね。
運動を日常生活にどう落とし込むかが重要だと思います。
ふと思った時とか、テレビ見てる時にちょっと体伸ばすとか
それくらいでいいですね。
そういった行動が出来れば大丈夫。
その前の段階だと「やらなきゃいけない」「運動しなきゃいけない」
っていうところからスタートですし、生活の中にそういったものが
出来てればいいですよね。

(高城)
ここのお店には色々な人が来てくれますが、
いつかお灸する方が来て、膝に灸するとよいと教えてくれた。
やってみると効いた。色々情報が入りますねありがたい。

(菅原)
お店には毎日勤務されているのですか

(高城)
休み休み来ています。
冬場はお休みしています。ここは雪で埋まってしまいます。
針と糸が好きで細かい仕事も、今は目も霞んできたんだけど
いまだに指先使うことは好きでやっている。
着物が好きで、農家している前掛けをしていたから、わざわざ買ってきて
ってなるより、使わないものがあったら作ります。

(菅原)
ご自分で次に何作ろう、どんな形にしようとか
頭を使うってことは、脳トレにもなると感じます。

(高城)

この地域でも週に一回百歳体操をやっている。
たまに金曜日のお茶のみサロン行き、おしゃべりしています。。

【これまでで大変だったことや苦労したことは】
(高城)
ここがまだ茅葺屋根だった時、水が出ない、肩にかついで水を汲みに行ったり
囲炉裏で炊飯したりしなにもかも手作りで大変でした。
今はパイプが引かれて水が来ていますが、その頃は水の入った桶の表面に
笹の葉を置いて、こぼれないようにしたりしていた。

(梅田)
石段登るのも健康によいとは思いますが、
昔経験した生活そのものが、身体を丈夫にしているように思いました。

(菅原)
ここに来るお客さんも高城さんからパワーをもらいに来ていると思います。

(高城)
時々休むとお客さんに申し訳ないような感じがします。
でもやっぱり最近は自分の体も大事にしないといけない。

【茶屋を続けてきた中で一番の思い出は】
(高城)
とにかくでも今までこの体でやってこられたってことはうれしい。
親に感謝し皆さんにも感謝し、出羽三山神社を守ってくれる神様にも
感謝しています。

【高城さんのお話しを聞いて参加した方の感想】
(菅原)
皆さんがここにやってくるのは高城さんの会話が楽しいからだと思います。
会話の力や表情でも通じているんじゃないかと感じました。
(高城)
たまに休みだと自宅に来て心配してくれる人もいて、大変ありがたいです。
何事も感謝感謝しながら悪い方向にもって行かず、頑張れば誰だってやっていけますよ。

【健康とは幸せとは】

(梅田)
若い時は遠くに行くといいことがあるのではないかと思いがちです。
また、環境っていうのは自分で変えられないから、生まれたところで毎日コツコツ生活していくことが、
大切だと思いました。
健康観の話では、健康そのもの自体が目的ではないんですよね。
何かをしたいとかそのために、健康でいたいっていうことだと思います。
社会の色んなことを考えていきたいとか、いろんな矛盾とか貧富の差もあります。
生まれてきてよかったと思える社会にしたいという思いがあれば、私は
健康でなくてはならないと思いました。
また幸せはあとから振り返って、「あぁよかった」と思えることだと思います。
ロシアとウクライナの戦争は幸せなんてありえないわけですし平凡な暮らしと、
色々な人に感謝していく積み重ねが大切だと思いました。
本日はそのお話しを聞けて良かったです。ありがとうございます

(菅原)
高城さんの魅力があってたくさんの人が来てくれるのだと思いました。
うらやましいです。
会社の従業員に事故がないよう、報告連絡相談の徹底やメッセージを
書いている。今日のお話し聞けて高城さんみたいに、私もみんなから頼ってもらえたり、
相談してもらえるように頑張りたいと思いました。ありがとうございました。

(高城)
だいぶ前の事だけども若い人が、階段を上ってきた。
少し様子がおかしいから話しかけたところ、
その子は失恋して、途方に暮れていたとの事。
上まで来る間に、たいした話しではないが色々なことを話した。
苦労はあるけど生きていればどんなことでもできるし、大丈夫だと話した。
それから2~3年してその子が来て、結婚しましたと報告しに来た。
私はたいして話しはしなかったが、あの時は嬉しかったです。
ここにいると色んな人と会うから、面白いです。

(長南)

継続力や忍耐力などを感じました。
私は高校までサッカーを頑張って続けてきました。
今でもその全力を出す精神は腐らずに持っている。
こだわりを持ち継続していくことが私と重なり
感銘を受けました。

(高城)
今はこの石段を一歩一歩登り
50段で一休み、次に60段、70段と
数えながらここへ来ています。

 

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